相続不動産を共有名義で売却する方法と必要書類

2025-10-02

相続による不動産の共有状態、そしてその売却。
複雑な手続きや関係者間の調整に頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、共有名義の相続不動産の売却方法について、具体的な手順や必要な書類、税金・費用、そして信頼できる不動産会社選びのポイントを解説します。

共有名義の相続不動産の売却方法

全員の同意を得て売却する

相続人が全員合意の上で売却を進める場合、まず全員の印鑑証明書と同意書を用意します。
その後、不動産会社に仲介を依頼し、売買契約を締結、決済を行い、所有権移転登記手続きを経て売却が完了します。
この過程では、不動産会社が売却価格の査定、買主探し、契約書類の作成、諸手続きの代行など、幅広くサポートしてくれるでしょう。
さらに、スムーズな売却のためには、相続人全員が売却価格や売却時期などについて事前に十分に話し合い、合意を得ることが重要といえます。
また、税金や費用の負担割合についても明確にしておくことで、後々のトラブルを避けることができます。
売却後の資金の分配方法についても、事前に取り決めておくことが大切です。

共有者の一人が持分を売却する

相続人全員の同意が得られない場合、共有者の一人が自分の持分を売却するという方法も考えられます。
この場合、他の共有者は売却に反対できません。
しかし、売却価格については、市場価格を参考に、適正な価格で売却することが重要です。
売却後は、買主が共有者の一人となるため、新たな共有関係が生まれることになります。
例えば、共有者が3人から4人に増えるケースも想定されます。
そのため、この方法を選択する際には、他の共有者との関係性や将来的な不動産の利用計画などを考慮する必要があります。
また、売買契約の締結や所有権移転登記についても、専門家である弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。
さらに、将来的に他の共有者も持分を売却する可能性がある場合は、その際の対応も事前に検討しておくべきでしょう。

裁判手続きで売却する

協議がまとまらず、共有者間で合意が得られない場合には、裁判所に不動産の分割を請求する必要があります。
裁判所は、不動産の売却を命じる判決を出し、その売却価格を共有者で分割するよう指示します。
この方法では、時間と費用がかかる上に、関係者の感情的な負担も大きくなる可能性があるため、他の方法を検討した上で、最後の手段として検討するのが賢明です。
例えば、調停などの裁判外紛争解決手続きを利用する方法も検討できます。
裁判手続きには、弁護士の代理人を立てることが一般的であり、その費用も考慮する必要があります。
また、裁判が長期化する可能性もあるため、その間の不動産の管理についても考慮しておく必要があります。

相続不動産の売却に必要な書類は?

登記事項証明書

不動産の所有権や権利関係を証明する重要な書類です。
売買契約を締結する前に、必ず取得しておきましょう。
発行機関は法務局であり、申請には手数料が必要となります。
また、オンラインでの申請も可能です。
さらに、正確な情報に基づいて手続きを進めるためにも、最新のものを取得することが重要です。

固定資産税評価証明書

不動産の評価額が記載された書類です。
譲渡所得税の計算に必要になります。
発行機関は市町村役場であり、申請はオンラインでも可能です。
また、郵送での申請も受け付けている自治体もあります。
さらに、必要な期間を指定して申請する必要があります。

相続関係説明図

相続人の関係性を図表で示した書類です。
相続の状況を明確に示すため、遺産分割協議書と併せて提出することが一般的です。
自分で作成することもできますが、専門業者に作成を依頼することも可能です。
また、相続人が多い場合や複雑な相続関係にある場合は、専門業者に依頼する方が正確でスムーズに作成できます。

遺産分割協議書

相続人全員が遺産の分割について合意したことを証明する書類です。
不動産の売却においては、必須の書類となります。
内容に不備があると手続きが滞る可能性があるため、正確な作成が必要です。
そのため、専門家である弁護士や司法書士に相談しながら作成することをお勧めします。
また、相続人全員の署名と実印の押印が必要となります。

共有名義者全員の合意形成を図るには

話し合いの場を設ける

まずは相続人全員で話し合い、それぞれの意見を聞き、共通の理解を深めることが重要です。
時間をかけて、じっくりと話し合う場を設けることが、合意形成への第一歩となります。
穏やかな雰囲気の中で、それぞれの立場や考えを丁寧に説明し合うことが必要です。
例えば、週末などまとまった時間を確保し、落ち着いた場所で話し合いを持つと良いでしょう。
また、事前に議題を共有しておくと、スムーズな話し合いが期待できます。

第三者を交えて話し合う

相続問題に詳しい専門家(弁護士や司法書士など)を交えて話し合うことで、客観的な視点からアドバイスを受け、合意形成をスムーズに進めることができます。
専門家の介入は、感情的な対立を防ぎ、公平な解決へと導く上で大きな役割を果たします。
例えば、専門家は法律的な観点から、それぞれの主張の妥当性や解決策の選択肢を提示してくれます。
また、中立的な立場で意見を述べることで、感情的な対立を緩和する効果も期待できます。

弁護士に相談する

話し合いが難航する場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士は、法律的な観点からアドバイスを行い、合意形成を支援します。
また、必要に応じて、裁判手続きのサポートも行います。
弁護士に相談することで、法的リスクを回避し、より有利な条件で合意を目指すことができます。
さらに、弁護士は交渉のプロフェッショナルでもあるため、他の相続人との交渉を代理で行ってもらうことも可能です。

相続不動産売却にかかる税金や費用は?

譲渡所得税

売却益に対して課税される税金です。
売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いた金額が課税対象となります。
控除制度も利用できるため、正確な計算には税理士の相談が不可欠です。
また、所有期間によって税率が変わるため、注意が必要です。
さらに、居住用財産の特例など、適用できる特例がないか確認することも重要です。

印紙税

売買契約書に貼付する税金です。
契約金額に応じて税額が決まります。
印紙税は、国に納める税金であり、収入印紙を購入して契約書に貼付することで納税します。
また、電子契約の場合は、印紙税の納付方法が異なるため、事前に確認が必要です。

仲介手数料

不動産会社に支払う手数料です。
売買価格の一定割合が一般的ですが、上限額が法律で定められています。
そのため、高額な物件を売却する場合でも、上限額を超える手数料を支払う必要はありません。
また、仲介手数料は、売買契約が成立した場合にのみ支払うことになります。

信頼できる不動産会社を選ぶには?

相続に強い不動産会社を選ぶ

相続不動産の売却に精通した不動産会社を選ぶことが重要です。
相続に関する知識や経験が豊富であれば、スムーズな売却を進めることができるでしょう。
実績や評判などを事前に確認することが大切です。
例えば、相続に特化した専門部署を設けている不動産会社や、相続に関するセミナーなどを開催している不動産会社は、相続に強いと言えるでしょう。
また、顧客からの口コミや評判も参考にするべきです。

実績豊富な不動産会社を選ぶ

多くの相続不動産の売却実績を持つ不動産会社は、豊富な経験とノウハウを持っています。
そのため、問題解決能力が高く、安心して取引を進めることができます。
ホームページなどで実績を確認したり、複数の会社から提案を受けて比較することが重要です。
また、実際に担当者と面談し、対応の丁寧さや専門知識のレベルを確認することも大切です。
さらに、過去の事例などを参考に、どのような対応をしてくれるのかを確認することも重要です。

まとめ

共有名義の相続不動産の売却は、手続きや関係者間の調整など、複雑な要素が多く含まれるため、慎重に進める必要があります。
本稿で解説した内容を参考に、専門家の協力を得ながら、円滑な売却を目指しましょう。
また、各手続きにおける具体的な費用や税金については、個々のケースによって異なるため、専門家への相談を忘れずに行いましょう。
さらに、売却後の資金の使い道についても、事前にしっかりと計画を立てておくことが大切です。

この記事を書いた人

イエステーション 立石・堀切店  編集部

立石・四つ木・堀切・お花茶屋エリアに特化した不動産のプロフェッショナルが、複雑になりやすい不動産売却についてわかりやすく解説。 一所懸命・一緒懸命・一生懸命をモットーに、あなたの不動産売却をサポートします。

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