売却基準価額とは?競売時における価格の決まり方
2025-07-16
不動産競売は、人生における大きな局面の一つです。
特に、現在の経済状況や不動産市場の動向を踏まえると、「競売における価格の決まり方」や「市場価格との違い」に不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
競売での重要な指標となるのが「売却基準価額」。
これは、裁判所が不動産を競売にかける際に定める価格であり、一般的な仲介売却の価格とは大きく異なります。
本記事では、競売時における売却基準価額の決定プロセスや、市場価格との関係性について解説します。
売却基準価額の決定プロセス
売却基準価格とは
売却基準価額とは、裁判所が不動産を競売にかける際に設定する基準価格のことです。
この価格は、不動産鑑定士による現地調査や評価をもとに決定されます。
鑑定士は、物件の所在地や築年数、建物面積、設備状況、周辺環境などを調査し、市場価格を踏まえつつも競売の特性を考慮した評価を行います。
このため、一般の仲介取引における査定とは異なる視点が含まれます。
市場価格との関係性
競売における売却基準価額は、市場価格よりも低く設定されることが一般的です。
これは、競売では内覧や契約条件の柔軟性が制限されること、物件の瑕疵情報が十分に確認できない可能性があることなど、購入側にとってリスクがあるためです。
その分、入札希望者の関心を集めるために、ある程度価格を抑える必要があるのです。
評価方法の違い
不動産鑑定士による評価は、経験や手法、市場動向によって若干異なることがあります。
そのため、売却基準価額はあくまでも「競売における出発点の価格」であり、最終的な落札価格は入札によって決まります。
基準価額と市場価格の関係性
売却基準価額の算出方法
売却基準価額は、不動産鑑定士の評価書に基づいて裁判所が決定します。
この評価書は、物件の特性・地域の市場傾向・過去の取引事例などを加味して作成されますが、競売特有の事情を反映するため、市場価格と一致するわけではありません。
買受可能価額との比較
競売においては、「買受可能価額」と呼ばれる最低入札価格が設定されます。
これは、売却基準価額の7割程度に設定されることが一般的で、実際の落札価格もこの価格を下回ることはできません。
そのため、実際の競売価格が市場価格を大きく下回るケースもありますが、立地や物件の希少性によっては売却基準価額を上回る入札が入ることもあります。
まとめ
今回は、競売における「売却基準価額」の決定プロセスと、市場価格との違いについて解説しました。
売却基準価額は、競売という特別な取引形態において設定される価格であり、市場価格よりも低めに見積もられるのが一般的です。
一方、任意売却のような方法では市場価格に近い価格を目指すことも可能です。
競売を含めた売却方法の選択は、物件の状況や所有者の事情によって異なります。
不動産の売却を検討する際には、競売や任意売却それぞれの特徴を理解した上で、専門家に相談することをお勧めします。
当社は、地域密着型の不動産会社です。
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