不動産売却の際に発生する固定資産税についてご紹介します!

2023-08-22

不動産を所有している方は、毎年固定資産税を支払っているかと思います。
しかし、その中身や注意点について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。また、不動産を売却する際には、この税金がどのように扱われるのかが気になるという方もいらっしゃることでしょう。
そこで、今回は不動産を売却した場合の固定資産税の扱い方や、都市計画税についても併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

固定資産税とは

ここでは固定資産税とは何かについて紹介します。
すでに支払ったことがあるという方も、固定資産税がどのような仕組みなのか、価格がどのように決まるのかを詳しく理解している方は少ないでしょう。

固定資産には、土地や家屋、償却資産が含まれます。
そのため、家やマンションを持っている方は、土地と建物の両方に課税され、毎年1月1日時点で固定資産を所有している方が支払うことになっています。

固定資産税の価格について

次は、気になる価格について紹介します。
固定資産税評価額とは、都や市町村が不動産を評価して算定する価格のことで、税額は固定資産税評価額に標準課税の1.40パーセントを乗じることで求められます。

ご自身が所有する固定資産の評価額を確かめるためには、課税明細書を確認していただく必要があります。
課税明細書は、税務署から送られてくる納税通知書に同封されており、この明細書の中の「課税地積又は課税床面積」という部分に価格が記載されています。

通知書をなくしてしまった場合

通知書をなくしてしまったという方は、お住まいの自治体で名寄帳の写しを発行してもらってください。
取得の際には運転免許証などの身分証明書が必要で、本人または同居の親族以外が申請をする場合には、委託状が必要なので用意しておくとよいでしょう。

「通知書の再発行はできないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
通知書は税金の納付を請求するためのものですので、再発行をしてしまうと、納税義務者は2回分の税金を納める必要が出てきます。
これを防ぐために、代わりに名寄帳の写しを取得する必要があるのです。

しかし一方で、おおよその金額を今すぐ知りたいという方もいらっしゃるかと思います。
目安として土地の場合は、地価公示価格のおよそ70パーセント、家屋の場合は、劣化具合を考慮した価格、建築費用の5〜7割程度と思っておくとよいでしょう。
ちなみに、建物の評価額に関しては記載通りですが、土地の評価額に関してはお住まいの市区町村によっては特例が適用されることがあり、特例が適用されていると、記載されている金額よりも低い金額になることがあります。

固定資産税は毎年同じ金額ではなく、評価額が3年ごとに見直しされます。
評価額が変われば、1.40パーセントを乗じた価格も変わるので、注意してください。

固定資産税は買主と売主のどちらが負担?

では、不動産売却をした場合には、固定資産税は売主と買主のどちらが負担するのでしょうか。
先ほど1月1日時点で所有している方に課税されるということを紹介しましたが、結論1月1日時点で固定資産を所有している方に納税の義務が発生します。
また、1月1日に納税者が確定すると、それ以降に所有者が変わったとしても、納税義務が新たな買い手に移ることはありませんので、この点は十分に注意してください。

固定資産税の実際の負担について

例として不動産の売却を考えていたところ、3月に買い手が決まったとします。
この場合売主としては、3月以降は自分の所有している固定資産ではないにも関わらず、10ヶ月分の税金を収めることになり、かなり不公平な感じがあるかもしれません。
タイミングを見計らって売却しないと損するのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、この点はご安心ください。
年度途中で売却をした場合は、当該期間で日割計算をして、売主と買主の両方が税金を負担するというのが一般的です。
1年の4分の1の期間を売主が、4分の3を買主が所有している場合を考えてみましょう。
この場合は、固定資産税も4分の1を売主が、4分の3を買主が負担するということで、売主と買主が平等に税金を負担するということです。

ちなみに、一般的であるという言い方をしているのは、この制度が法律で定められているものではないためで、あくまでこれらは不動産の取引をする際の慣例となっているだけです。
法律上必ずやらなければならない手続きではないので、面倒であれば不動産の価額だけで取引をしても問題はありません。

固定資産税の分担に関して

なお、固定資産税の分担を決める際には、起算日がいつかが重要です。
起算日の考え方に関しては、地域によって差があり、関東では1月1日、関西で4月1日を起算日にすることが多いです。
しかし、これらは決まっているものではないので、関東で4月1日を起算日にしたり、関西で1月1日を起算日にすることもありえます。
起算日自体は売主と買主の同意によって決められるので、どちらにするのかはあらかじめはっきりさせておいたほうが良いでしょう。
起算日から引き渡しまでは売主が負担し、引き渡し以降は買主が負担するということですので覚えておくと良いかもしれません。

固定資産税清算金と注意点について

固定資産税清算金とは、先ほど紹介した公平に税金を負担する場合に、買主が売手に支払うお金のことです。
税金を日割り計算して値段を求め、それを清算金として買手に支払うということで、売買契約を締結する際に、契約書の中で清算金に関する条項は記載されています。
そのため、約束通りに支払いがおこなわれない場合は、債務不履行や契約解除といった事態を招くことがあるでしょう。

ただ、不動産売却をお考えの方は安心していただきたいのは、不動産会社が仲介に入っている場合は、契約書に清算金を記載がないことはほとんどありません。
後からトラブルになることを避けるためにも、ご自身でしっかりと確認しておくとトラブルなく手続きを進めていただくことができます。

また、この精算金は、分割して支払うものではなく、購入時に買主から売主に一括で支払うものです。
さらに、清算金で収益が出た場合は、確定申告をする必要があることも覚えておくと良いかもしれません。
申告漏れがあったとなれば追加で税金を納めることになることもあるので、注意してください。

固定資産税の他に課せられる可能性のある税金とは

ここまでは固定資産税の話を中心に進めてきました。
しかし、固定資産税以外に都市計画税についても十分に注意しておきたいです。
都市計画税とは何かと疑問に思っている方も多くいらっしゃるでしょう。
ここからは都市計画税とは何か、計算方法まで紹介します。

都市計画税に関して

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的とした市町村税で、東京23区の場合は、都税と呼ばれます。
これは、市街化区域内に土地や建物を持っている方に課せられる税金です。

固定資産税では、土地、家屋、償却資産を持っている方に課せられることを紹介しました。
しかし、償却資産(事業用の土地)は都市計画税の対象外です。

市街化区域について

市街化区域という新しい単語についても紹介していきます。
これは、すでに市街地を形成している場所、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき場所として都市計画法によって定められています。
例えば、すでに住宅や商業施設が立ち並んでいたり、道路や下水道、公園といった都市機能を積極的に設置したりすることが進められている場所ということです。

上記説明だけでは、ご自身の所有している土地や住宅、マンションが市街化区域にあるのかどうかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は以下の3つの方法で調べてみることをおすすめします。

・1つ目は、自治体に確認する
最も確実な手段と言え、自治体によっては市街化区域を表す地図をホームページに掲載していることもあるので、一度確認してみるとよいかもしれません。
見つからなければ窓口で確認していただくことをおすすめします。

・2つ目は、不動産会社に問い合わせる
自治体への確認後は、不動産会社に問い合わせをおこないましょう。

・3つ目は、インターネットで検索する
検索する際には、「市町村名+市街化区域」で調べてみましょう。

都市計画税の計算方法について

ご自身の不動産が市街化区域に含まれているかどうかを調べる方法がわかったところで、次は計算方法について紹介します。

都市計画税は、固定資産税評価額に0.3パーセントを乗じることで求められます。
例えば、固定資産税評価額が600万円だったとします。
この場合は、600万円に0.3パーセントを乗じるので、都市計画税は18,000円となります。この税率は自治体によって変動することがありますが、0.3パーセントを超えることはありません。

また、所有している不動産を住まいとして利用している場合は、軽減税率を適用でき、軽減内容については、面積によって異なります。
200平方メートルまでの部分に関しては、固定資産税評価額の3分の1で、200平方メートルを超える部分に関しては、固定資産税評価額の3分の2です。
そのため、軽減税率を適用した場合の税額の求め方は 200平方メートル以下の部分は「固定資産税評価×3分の1×0.3パーセント」、200平方メートルを超える部分は「固定資産税評価×3分の2×0.3パーセント」と覚えておくとよいかもしれません。

まとめ

今回は、不動産売却時の固定資産税の扱い方について紹介しました。
不動産売却をした場合の固定資産税は、売主と買主で平等に負担するのが慣例になっていることや清算金についいてご理解いただけましたでしょうか。
固定資産税評価額を調べる際には、納税通知書に同封されている課税明細書を確認していただき、固定資産税だけでなく、都市計画税についてもしっかりと調べておくとよいかもしれません。
不動産売却時にかかる税金についてわからないことや相談したいことがある方は、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

イエステーション 立石・堀切店  編集部

立石・四つ木・堀切・お花茶屋エリアに特化した不動産のプロフェッショナルが、複雑になりやすい不動産売却についてわかりやすく解説。 一所懸命・一緒懸命・一生懸命をモットーに、あなたの不動産売却をサポートします。

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