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よくあるご質問

亡き父の同居人が自宅から立ち退きません。何か方法はありますか?



父が亡くなり、自宅を相続することになりました。


私と父の関係は疎遠であり、母が亡くなって以後5年以上もお互いに音信不通でした。父の死後に叔父から聞いて知ったのですが、その間に父には同居人が出来ていたとのことです。父の戸籍謄本を調べたところ、父と同居人は婚姻関係にありません。


自宅には確かに同居人がいました。そこで、父の相続人として自宅の明け渡しと自宅内にある父の遺品の引渡しを要求しましたが、身勝手な理屈や主張を述べるだけで全く応じようとせず、私が自宅内へ立ち入ることすら拒否しています。


このような同居人の行為は、認められるのでしょうか?また、同居人を立ち退かせるための良い方法は無いのでしょうか。



民法の規定や過去の判例などを考慮すると、同居人の退去や遺品の引渡しを要求することは難しいと考えられます。

お気持ちお察しいたします。民法の規定や過去の判例などを考慮すると、同居人の退去や遺品の引渡しを要求することは難しいと考えられます。


同居人はお父様と婚姻関係に無いため、お父様が遺言で指定しているわけでも無い限り、当然お父様の財産を相続する権利はありません。


しかし、お父様と同居人にはご自宅について民法上の使用貸借(物を後で返すことを前提に無償で貸すこと)関係があるという見方が可能です。民法第599条では、使用貸借の終了事由として借主(=同居人)の死亡を規定していますが、貸主(=お父様)の死亡は終了事由としていません。


また、一般的に使用貸借では当事者間で終了事由などを定めた契約書などを締結していないことが多く、当事者間が内縁関係にあれば尚更です。そのため使用貸借の終了事由が不明であることを理由に、多くの判例では内縁関係にある貸主に相続が発生したとしても、貸主の相続人による立ち退き請求は認めていません。


これに加え、民法第597条第3項に「当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができる」という規定がありますが、内縁の同居人が借主の場合は多くの事案で適用されておらず、借主保護を慣行的に優先している傾向が強いのです。